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大漢和丸写し

○大漢和丸写し
 今日は、5時限目の授業は30分早く切り上げて、学生を帰した。だからといって腹を立てる者もいまい。演習だし。しかも明日は休講だそうだ。補講はどうするか……小生の関知するところにあらず。
 あるサイトで、大学で「大漢和辞典丸写し」という演習をやっている、という記事を読んだ。じつにすばらしい。手で書くということは、その信号が脳に行き、ニューロンが活性化されて繋がり、また身体にフィードバックされるということだ。まさに「体で覚える」トレーニングなのだ。昔の東洋史では、自分が使う漢籍史料は、みな図書館へ行って丸写ししてきたものだ。それをする中で、新たな発想を得たものだ。今みたいにコピー・ペーストで、脳の中に何が残るものか。「そういう作業をパソコンに任せ、脳は自由な発想ができる」などとは大嘘だ。だって、それは「作業」ではない。「クリエイション」なのだもの。牛歩のごとき繰り返しから、クォンタム・リープが生まれる。
 大学4年の夏、図書館読書室で大漢和辞典と首っ引きで史料を読んでいた。その話をすると、心理学科の親友が、「また大漢和と格闘だね」と笑っていた。そう、楽しい格闘だった。ひたすら繰り返し。知らない間に、脳の中に発想が芽生えている。リ・クリエイション──レクリエーション。

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