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「ヤマト2199」覚え書き

「ヤマト2199」覚え書き
 いまだにアニメを見るのか、という謗りは甘んじて受けよう。考えてみれば70年代だって、大学生にもなってアニメを見るなどというのは外聞をはばかることだった。いわばその羽目を、「ヤマト」が外したのだ。私はちょうどその端境の世代の人間だ。
◆テロップに松本零士の名が(当然だが)出てこない。「完全に失ったのだな、わが子をなくしたようなものだな」という感慨がまず。
◆元のストーリーをおおむね忠実に守っている。無理のあるところを何とか整合させたという感じ。だからメッセージ到達時期を前倒ししているわけだ。当然、付随したサスペンスも生じてくる(ネタバレここまで)。
◆あらためて思ったのは、前回よりはるかに国粋的、軍国的な感覚にに、いかにも自然に移行していること。これが昭和を知らない平成世代への推移というものだろう。作戦暗号が日本神話だったり、軍歌を歌ったり、ヤマトが正規の軍組織として動いていたり、階級があったり。
 思えば、70年代にはPKOやISAFの概念はなかった。自衛隊はまだまだ陰の存在だった。たしかにヤマトに「艦長」はいたが、それ以外はみな平等で、たとえば古代は戦闘「班長」でしかなかった。「班長」。つまりヤマトは、学級組織で動いていたのだ。国民皆兵徴兵の準備段階である、つまり、ある部分は民主主義的でもあるが、他方ではその発展史から見ても歴然たる軍の簡易化組織である、「義務教育」のシステムで。軍に対するタブー意識がまだまだ強かった70年代に比して、そうした感情が急速に雲散霧消しつつある現在との相違を、まず思った。
 なにせ首相が「国防軍」などということばを、大っぴらに言い出す時代だから。

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