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生兵法

○生兵法
 ボルボ240関連サイトを見ていると、掲示板がたまに大荒れになる時がある。それは事前によく知識を(車についてもディーラーについても)仕入れておくことをせずに(そうするということにすら思い至らずに)、見た目とか価格とかでいきなりこのビンテージカーを購入し、さあそれから、泡を食って「教えてクレクレ君」になって問い合わせの書き込みを連発する人が出てくるときだ。
 サイトの主催者、また常連さんたちは、いずれも年季の入った本格的アマチュアで、親切ではあるが職人肌だ。またアマチュアとしての規矩は踏み外さない(責任を問われても困る)ためにも、少々厳しい物言いになる。「ものを聞くとき」の聞き方には暗黙のルールがあり、それが出来ていないと、まずそこで門前払いだ。知りたいなら、まず掲示板、経験譚その他多数のページをまず洗いざらい見ておけ、その間に前記のルールも自然に身につくだろう、それから初めて問い合わせなさい、といったところだ。「可哀想な人間が困り果てているのだから、助けてくれてもいいじゃないか」との言い分には「その気持ちはよく分かるが、ここは病院でも魔法の場所でもない、みんな頭をぶつけながらなんとかトラブルを乗り越えてきた、それが楽しいし、連帯感だし、助け合いなのだ、そこをわきまえて訊ねてくれれば、分かる範囲のことは喜んで答えてあげましょう」ということになる。つまり、「教えてくれ」「教えてやろう」この二者の間には、意外や大きなコミュニケーションの溝が横たわっている。「五里霧中なんです」という問いに「地図は調べたかね」と答えるようなものだ。「その地図の見方や調べ方が分からない」「それじゃあ面倒見られない」ということだ。
 これは日本の自動車教習所でよく見かける光景で、「何でも聞きなさい」とか教官が言うから質問したら、「教科書読んだ?」といわれてムカッと来る初心者はいくらでもいる。「だから、どう見当をつけて、どう読んだらいいか、そのやり方そのものから教えて欲しいのに」というわけだ。ここに、徒弟制度のいい面と悪い面、両方が現われる。
「なにくそ」と喰らいつけばすばらしい結果が生じるし、さもなければ泣いて諦める外ない。そして永遠に嫌ってしまうのだ。
 だから、生兵法は大怪我のもと。いきなり本格アマチュアの真似をしたり、下手な教えの請い方をして嫌な思いをする前に、素人はガレージへ行きましょう。まずは先達さんの言うことに従い、無理な背伸びをして我を張らないこと。

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