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米豪比較文化論

○米豪比較文化論
 友人の新車、VWティグアンに同乗させてもらう。大きくて背も高いのに、見通しはよく、同じような形の国産車ならフロントピラーの死角が大きくて困るのに、さすがVWで、そんなこともない。ハンドルの取り回しもよさそうだ。
 かれは豪州人で、面白い文化論を聞いた。同じような移民の国で、市民革命後の西欧共通理念、「自由、平等、博愛」を持つ豪州と米国だが、米国が「自由」を重んじるのに比して、豪州はむしろ「平等」を尊重するという。
 その理由は、北米大陸は肥沃で個人的成功の余地が大いにあったのに対して、豪州大陸の条件は過酷で水も少なく、人々は分け合い、助け合わねばならなかったからだ、というのだ。だから豪州では個人的チップの習慣もないし、またたとえ何事かに失敗しても、それは努力の結果だと考えてむしろ尊敬するのだという。
 それで私も考えて言った。私たち日本人の考える米国とは、やはり正直者ワシントン、努力家フランクリン、理想家リンカーンの国だが、そうしたかつての米国は、豪州などともむしろ通じたモラルもあったのではないか。今みたいにディーリングルームでキー一つを押しただけでプール三つの豪邸に住めるような米国が、むしろおかしいのではないか、と。
 するとかれも同意して、やはり60年代から70年代のどこかで、決定的に違うスイッチが入ってしまったのではないか、と言った。
 そのあたりで今日は時間切れとなってしまったが、なかなか実のある話だったと思う。

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