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年末の骨休め

○年末の骨休め
 年末の骨休めで、29日の晩、一泊で、家族でキャピトル東急に泊まる。改築新規開業以来、まだ二箇月しか経っていない。若い頃は母を連れてよく「オリガミ」に行っていたものだが、じつは泊まるのは初めて。
 高層のフロアの部屋に入って、皇居や首相官邸が眼下に見下ろせるのにびっくり。スカイツリーも真正面だ。ベイブリッジやお台場、さらに遠くには日光か筑波まで望めて、こんな眺めはちょっと味わえないだろう。
 ホテルそのものの印象はといえば、可もなく不可もなし。今様流行の「和モダン」というやつだろう。セキュリティも、設備も現代最先端で万全だが、あくまでコストパフォーマンス最優先だという印象。要するに、ホテルというものが、都市を代表するモニュメンタルな存在でも、またランドマークでもなくなったということだ。建替え、スクラップアンドビルド、いつでもござれという感じだ。
「オリガミ」についてだが、これは昔のイメージがありすぎるので、比較のしようがない。かつての「オリガミ」は、おそらくヒルトン時代以来の伝統的「ダイナー」で、ほんとうにアメリカンな感じだったものだ。わさわさとして活気にあふれ、永田町の政治家がちょっとリラックスして、夜来て座っている姿なども目にすることができたものだ。妻が持っていた『スタジオ・ボイス』という雑誌に、「オリガミ」の外側、ガラス越しに見える日本料理割烹レストランへつながる渡り廊下などは、いかにもジェームズ・ボンドが歩いて来そうな雰囲気だ、と書いてあったのが印象深いが、まさにそんな感じ、昭和のアメリカ全盛時代を思わせたものだ。
 それが改築前に改装して白い壁、こげ茶色の調度となり、面白さが失せたと感じて足も遠のいたが、今回あらためて新装なった「オリガミ」もまたそのテイストを受け継いで、小奇麗ではあるが、あのちょっと猥雑な活気は、もう望むべくもないだろう。ただ「伝統の味」と称して、いくつかのメニューだけは残してある。私のお気に入りは、昔から変わらず「ナシ・ゴレン」だ。外国のホテルでもかなり注文して食べ比べたが、ここに優る味はない。かつてアメリカ大使館近くのある出版社で編集補助のアルバイトをしていたとき、たまに贅沢をして食べに来たものだ。今回久し振りに食して、変わらぬ美味に、豊かな心持ちになることができた。
 宿泊した夜の食事は青山の「トニーローマ」でコブ・サラダとスペアリブだったし、ずいぶんアメリカ風だったなと思う。
 日枝神社にも参ったし、赤坂TBS界隈、表参道から原宿あたりも散歩し、翌日は日本橋高島屋で買い物をして、日本橋から銀座まで歩いた。
 歳末風景を盛りだくさんに楽しんだというわけだった。

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