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年の納めのブログ

○年の納めのブログ

 ついに今年も、あと一日を切った。やはりさまざまな感慨はある。時は移り変わっていき、またそれに対応して生きてもいくものだ。
 とはいえ、この押し詰まった時になると、決まって思い出す詩がある。この、いかにも「人恋しい」感じが、なんともいえない。
 今年のブログの納めには、それを載せておこう。

除夜の鐘

中原中也

除夜の鐘は暗い遠いい空で鳴る。
千万年も、古びた夜の空気を顫はし、
除夜の鐘は暗い遠いい空で鳴る。

それは寺院の森の霧つた空……
そのあたりで鳴つて、そしてそこから響いて来る。
それは寺院の森の霧つた空……

その時子供は父母の膝下で蕎麦を食うべ、
その時銀座はいつぱいの人出、浅草もいつぱいの人出、
その時子供は父母の膝下で蕎麦を食うべ。

その時銀座はいつぱいの人出、浅草もいつぱいの人出。
その時囚人は、どんな心持だらう、どんな心持だらう、
その時銀座はいつぱいの人出、浅草もいつぱいの人出。

除夜の鐘は暗い遠いい空で鳴る。
千万年も、古びた夜の空気を顫はし、
除夜の鐘は暗い遠いい空で鳴る。

謹んで旧年を送り、謹んで新年を迎えます。

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