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シロお別れ

●シロお別れ
 シロをペット墓苑に連れて行く。
 ニュータウンで、ペットを飼っている人が多いらしく、近隣に二箇所もある。
 それぞれ事情もあるし、縁起のことでもあるし、マア内部のことはあれこれ書かないが、ペットに格段の思い入れをする人が極めて多いことは、よく分かった。線香を立てて、感謝の気持ちを込め、お別れをした。
「合同葬」というものにしてもらった。猫や犬と一緒だが、あの世でまで追いかけるということはないだろう。
 墓苑から出るあたりで、肩のところがどしっと重く、筋肉痛のごとく痛くなる。動物のではなく、ペットに思い入れた、飼い主である生きた人間の「念」の重さを、もろにかぶったのだと思った。
 近くのファミレスで精進落しをして、帰ってシャワーも浴びて、いつの間にか抜けていた。
 きっと羽ばたいて天に帰ったのだから、引きずらずに忘れてやるのも、供養だろう。鳥は昔から、風の仲間で、天のお使いです。
 ただ、一羽残ったクロが甘えて困る。今日も、妻の手の中に入ったままだったらしい。
 禽獣畜生といえども、心はある。
 

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