灰色の積雲はうんざり ●灰色の積雲はうんざり 午後になってもときおりひどい驟雨。悪魔が、まるで東京の上にだけありとあらゆる不満を被せたような、そんな灰色の雲が空に積み重なっていた。 NHKBSで、バチカン秘蔵美術品の特集をやっていたのを観る。ところがどうも最近、イタリア・ルネッサンスの画家よりも、現代日本のマンガ家の方が上手いのではないか、というような、そんな気がしてならない。 たとえば、とんでもないことを口走っていると言われるかもしれないが、サンドロ・ボッティチェッリくらい(これがもう途方もない言い草だとも思う)の絵なら、あるいは浦沢直樹だったら易々と描いてしまうだろうということなのだ。 水木しげるを引き合いに出すまでもないが、日本人のタブロー力は、これはちょっと、なまなかなものではないと、ちかごろ、とみに感じるようになったのだ。 [0回]PR