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トヨタF1撤退

●トヨタF1撤退
 前日の記事で「日本が文化・経済的に成熟」とか書いたら、この体たらくだ。所詮は付け焼刃だったのだろう。
 かつてのトヨタは、「8割主義」で車を作っていたと覚えている。外国車の8割レベル、8割の人が満足するクルマ。といえば、いかにも俗物的2流に聞こえるが、よく考えてほしい。大学の試験で、合格ラインは60点である。80点といえば、「優」である。どんな科目にも80点が取れたら、その人は「全優」である。それがいかに困難なことか。トヨタはそれを目指し、かなりコンスタントな程度まで実現していたのであるから、実はやはり世界一だったのである。60年代や70年代のクラウンには、それが確かにあった。コロナにも、パプリカにもだ。
 それが妙な欲を出した。王になりたくなった。貴族になりたくなったのだ。
 万人に好まれる、世界一の優等生をやっていればよかったのに。
 そんなこと、望んでもできないのだから。
 そしてそれは、極めて日本的な文化成熟のひとつの形としてあり得た筈だ。

 まあこれで、日本のF1ファン人口は激減し、フジテレビも真っ青になることだろう。

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