豚インフル3 ●豚インフル3 豚インフル最初の襲撃は、ともあれ不発でよかった。 高校の校長が嬉しさのあまり涙ぐんでいたのが、不謹慎ながら可笑しかった。 本来ならもう、香港型でもソ連型でも大ごとのはずなのに、「やったあ」と職員室中喝采とはね。 許容基準が、もはやここまでぶっ飛んでしまっているのだということだ。 今日は、銀座の服屋で寸法直したてのスーツを着て行く。学校に着いてから、ベルトを締めてこなかったことに気づく。意識させないほどの見事な仕立て方なのだ。その後も、授業中の体の動きにぴったりとズボンがついてきて、ベルトのことなどすっかり忘れていた。結局、帰宅までまったくずり落ちることがなかった。さすが老舗のテーラーだ。 夕方学校を出るとき、空気の中にもう夏の匂いがしていることにはっとする。若草、若葉の「いきれ」とでもいうか。5月に入ったとたんだ。季節というものは争われない。 [0回]PR