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やや上向きか、しかし……

○やや上向きか、しかし……
 若干身辺穏やかになりかける兆しあり。とはいえ無理も油断も禁物。まずは労わりつつ。
 夜、鍼の先生の帰り道、ボルボ240オンマニ号は、たいていお堀端平河門の突き当たりを右に曲がって、代官町ランプへ向かう。
 すると何が目に入るかというと、皇居ランナーの群れだ。最近はシャワールームや更衣室もあちこちにでき、集団走行して顰蹙を買う向きもいるようだ。
 そもそも、皇居は「宮居」とも称して、聖なる神域なのだ。その森厳静粛であるべき皇居の周囲を、草莽が集団で取り囲み渦を巻いて走るとは何事か。昔から、「宸襟を安んずる」とか「宸襟を悩まし奉る」などの言い回しがあるではないか。自己満足ばかりで、慎みのかけらもない。土蜘蛛や鵺同然のうからやからと断じても構うまい。
 今夜は金曜の夜なので首都高は大渋滞、しかたなしに甲州街道永福から中央高速に乗り、あるトラックを追い越すと、その後部荷台パネルには堂々と「怪力乱神」「暴虎馮河」と大書してある。つまり、「オレは死んでも後悔しない乱暴者だ、何が悪い」と胸を張っているわけだ。あえて孔子に、人間のモラルに楯突いているのだ。暗澹とした。
 帰宅して「報道ステーション」を観ると、夜行列車廃止の狂騒光景の中継。われがちに写真を撮りまくる「鉄」とか呼ばれる連中は、これも断じて「鉄道ファン」ではない。だいたい私も含めて「鉄道好き」などというのは本来日陰者扱い、大人になれない半端者と思われ、そんな趣味にはまともな市民権など与えられなかったし、またそれに甘んじていたものだ。百閒先生だから通用したようなものだ。
 というわけで、今夜は「曲々しいもの」を三つも目にしてしまったのだった。 

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