忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

実現

 子どもの時は、ずっとロボットであればいいと思っていた。感情を持たなくて済むからだ。感情があるから、悲しい思いや嫌な思いをしなければならなくなる。では楽しい思いは? いやいや、楽しい思いをした分、それだけ嫌な思いのマイナスの分量が大きく多くなる。だから、楽しい思いもいらない。つまり、感情はいらない。そのためには、ロボットであればいい。
 長じては、修道士になりたかった。そして、最後は遍路になり、野垂れ死ぬ。いつも目を半眼に開き、じっと蓮の花の上に坐っていたい。一切の波乱や起伏は、金輪際御免だ。
 ところで、大震災後の現在の状態はどうか。感情も、心も、冷え切った。高揚感など、一切起きてこない。ヤマトの波動エンジンが、かかりそうでシュ~ンと落ちてしまう、ちょうどあの場面の感じだ。つまり、感情が出ない。楽しいことも、嬉しいことも、まったくない。いや、怒りや嫌な思いの炎も、もはや焚火の後の消えかかりの風情だ。
 とすれば私は、まさに自分の思い通りになってきている。自分の思いや望みが、見事に実現してきているではないか。
 これこそが、私の望んだことなのだな。
 今、そう思う。

拍手[1回]

PR