[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
●文鳥シロ死ぬ
楽しい記事を書くつもりだったが、思いもかけぬことになった。
夜、外出より戻ると、鳥かごの底に、文鳥シロが落ちていた。目をつむり、首は横向きに、腹ばいになっていた。羽はやや開いていたが乱れておらず、嘴は赤く、血を吐いた跡があった。
止まり木に止まっているクロに妻が「どうしたの? ケンカしたの?」と聞くが、黙ってじっとしているばかりで、もちろん答えてくれるわけもない。もしケンカしたり、足が挟まってもがいたりしたのならば、もっと羽根が乱れているはずだ。
思うに、最近、夜寝るときに、鳥かごの床にいることがままあった。また、さえずりが時にかすれて聞こえることがあった。これに血を吐いたこと、姿が乱れていなかったことを考え合わせると、いつのころからか、喉の辺りに病気があって、それが今日突然に急変し、いちどきに喀血して死んだのか。もしそうだとすれば、可哀想ではあるが、苦しむことは少なかったかもしれない。
われわれが出かける前には水浴びをして元気だったし、昨夜も寝る前にはいつもどおりの顔でこちらを見てくれた。つやつやして体も大きく、小さくて足も弱いクロの方をもっぱら心配していたのに,いのちというのは分からないものだ。妻は涙流れて止まず。享年八歳。文鳥としては長生きをしてくれた。ちなみに「シロ」は通称で、本名は「四郎」。高野山で弘法大師を先導した狩場明神の飼い犬の名から取った。
最後まで辛い顔を見せず、しかも死ぬ姿も見せなかった。男と言えるだろう。
線香を立て、供養する。
シロよ、一緒にいてくれてありがとう。