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○カセットの音楽
カセットテープに録音した音楽をパソコンに落とせる機械を手に入れたので、早速使ってみた。不慣れなままだが、何とかハードディスクに入った。これをCDに焼けば、今後もかなり保存できるだろう。
それで、パソコンに入れたのは、今から30年も前と、22年前のカセットからのもの。カセットのブランドは、TDKとSONY。びくともしていない。音質も当時のまま。この時代の日本製品はすごい。73年ごろのAgfaのテープは、何年か前にリーダーテープの糊がダメになって巻き付き、ワカメにしてしまったことがあった。
懐かしい音楽を聴いて、記憶が蘇る。孤独な留学生活時代、これらの音楽だけが心の支えであったときもあった。家庭教師のアルバイトをしていた日本人企業駐在員の御宅を夜遅く辞して、北京大学宿舎まで、凍てついて人影もない郊外の道を、ナップザックに入れたウォークマンのスイッチを入れ、イヤフォンから流れるメロディを聴きながら、ひたすら自転車をこいで帰るのだ。
○米豪比較文化論
友人の新車、VWティグアンに同乗させてもらう。大きくて背も高いのに、見通しはよく、同じような形の国産車ならフロントピラーの死角が大きくて困るのに、さすがVWで、そんなこともない。ハンドルの取り回しもよさそうだ。
かれは豪州人で、面白い文化論を聞いた。同じような移民の国で、市民革命後の西欧共通理念、「自由、平等、博愛」を持つ豪州と米国だが、米国が「自由」を重んじるのに比して、豪州はむしろ「平等」を尊重するという。
その理由は、北米大陸は肥沃で個人的成功の余地が大いにあったのに対して、豪州大陸の条件は過酷で水も少なく、人々は分け合い、助け合わねばならなかったからだ、というのだ。だから豪州では個人的チップの習慣もないし、またたとえ何事かに失敗しても、それは努力の結果だと考えてむしろ尊敬するのだという。
それで私も考えて言った。私たち日本人の考える米国とは、やはり正直者ワシントン、努力家フランクリン、理想家リンカーンの国だが、そうしたかつての米国は、豪州などともむしろ通じたモラルもあったのではないか。今みたいにディーリングルームでキー一つを押しただけでプール三つの豪邸に住めるような米国が、むしろおかしいのではないか、と。
するとかれも同意して、やはり60年代から70年代のどこかで、決定的に違うスイッチが入ってしまったのではないか、と言った。
そのあたりで今日は時間切れとなってしまったが、なかなか実のある話だったと思う。