地下鉄のホーム ○地下鉄のホーム このごろ、雨は浄化と考える。 そう思うと、あまり苦にならない。それどころか、喜ばしい。 旱魃のところや、貯水不足のところに降ってくれることを祈る。 今日の地下鉄のホームで、遠くから鼻歌のようなものが聞こえてくる。すぐに歌声は近づき、すぐ傍らを、女性が、片腕を上げて歌いながら通り過ぎていった。普通の勤め人のような格好をしていたが、どことなく動作のバランスが崩れて見えた。もちろん、心が身に添っていない、そうした人のひとりだ。 [0回]PR