子どもたちの悲惨なニュース ●子どもたちの悲惨なニュース いたいけな子どもたちの悲惨なニュースには涙がこぼれるばかりだ。 もちろん、こんな話は、安寿と厨子王(山椒太夫)物語時代からあるに決まっているし、今の時代が特別に例が多いわけでも悪いわけでもない。世界中で毎日のように、子どもたちはひどい目に遭い続けている。マスコミは、ここぞとばかりに扇情的に扱いがちだ。 とはいえ、報道されればやはり哀れを誘われる。とくに、遺棄された二人の幼児は、三歳の姉が一歳の弟をかばうように倒れていたとも見受けられる。そして、虐待された女の子は、ベランダに放り出されて横になりながら「ひまわりを探している……」と手を伸ばし、やがて「部屋に入らないのか」と聞かれて「もういい、ここで寝る、おやすみなさい」と言ったのが最期だったという。 子どもの心のどこから、どうして、こんなに優しい諦念が湧き出でるのか。子どもはやはり、神に近いのか。 人の魂の底知れない深さには、ただおのずから手を合わせるしかないではないか。 [0回]PR